DAIHATSU INDONESIA MASTERS 2021
Part of the HSBC BWF World Tour Super 750
大会レポート

開催日時: 2021年11月16日(火)~21日(日)
開催場所: バリ・インターナショナル・コンベンション・センター

  • 『DAIHATSU INDONESIA MASTERS 2021』は今年のみ、HSBC BWFワールドツアースーパー750シリーズに格上げされて開催されました。開催地はインドネシアのウェスティンリゾート ヌサドゥア バリで、3つの大会で構成されるインドネシアバドミントンフェスティバルの最初の幕開けとなりました。

    『DAIHATSU INDONESIA MASTERS 2021』では、今年もトップクラスの選手たちが1週間にわたってバドミントンファンを湧かせました。ただし、新型コロナ感染症の予防措置によりコートは静けさに包まれ、トーナメントとしては異例の環境となりました。インドネシアのバドミントンファンたちからの熱烈な声援や拍手がないことに、特にインドネシアの選手たちは寂しさを感じたことでしょう。それでも、トップスター選手たちがすべてをかけて戦う試合は、例年通り白熱していました。

  • ダイハツは、BWF(世界バドミントン連盟)のバブルシステムとインドネシア保健省の規定に準じて、イベントを開催頂いたPBSI(インドネシアバドミントン協会)並びにウェスティンリゾート ヌサドゥア バリに感謝の意を表します。バブルシステムの適用により、ウェスティンリゾート ヌサドゥア バリという星ホテルの快適な環境のなかで、選手たちは安全に練習し、試合を行うことができました。このトーナメントが心に残るイベントになったことは間違いありません。

決勝戦 試合一覧

種目 選手名 試合内容
男子シングルス 桃田賢斗(日本) 2-0 アンダース・アントンセン(デンマーク) 21-17 / 21-11
女子シングルス アン・セヨン(韓国) 2-0 山口茜(日本) 21-17 / 21-19
男子ダブルス 保木卓朗/小林優吾(日本) 2-0 マルクス・フェルナルディ・ギデオン/ケビン・サンジャヤ・スカムルジョ(インドネシア) 21-11 / 17-21 / 21-19
女子ダブルス 松山奈未/志田千陽(日本) 2-0 チョン・ナウン/キム・ヘジョン(韓国) 21-9 / 21-11
混合ダブルス デチャポン・プアバラヌクロ/サプシリー・タエラッタナチャイ(タイ) 2-0 タン・チュンマン/ツェ・イエンスエット(香港) 21-11 / 21-12

世界トップの選手たちが繰り広げたゲームをレポート!

  • 男子シングルス:桃田選手が優勝

  • 本トーナメントで第1シードの桃田賢斗選手が、その強さを見せつける結果となりました。桃田選手は、デンマークのアンダース・アントンセン選手を21-17、21-11のストレートで破り、優勝を決めました。桃田選手にとってはこれが、2020年以降初めての世界バドミントン連盟(BWF)ツアータイトル獲得となります。
    両選手は、決勝まですべての対戦相手をストレート勝ちで突き進み、それぞれシード1位と3位の実力を見せつけました。アントンセン選手は第一セットでは素晴らしいラリーで順調な立ち上がりを見せましたが、第二セットでは得点しようとする場面でのミスが続きました。最終的には、桃田選手の総合的な強さ、すばやいコートカバー、そしてシャトルの絶妙なコントロールが決め手となり、『DAIHATSU INDONESIA MASTERS 2021』の栄冠は桃田選手の元に輝きました。
    2019年の同イベントで、デンマークのアンダース・アントンセン選手相手に敗退した桃田選手にとって、今回の勝利は念願のリベンジとなりました。この優勝は、今後の大会において桃田選手の大きな自信となることでしょう。

  • 女子シングルス:期待の新星、アン選手が念願の勝利を掴む

  • 韓国のアン・セヨン選手が、山口茜選手を21-17、21-19のストレートで破り、初の『DAIHATSU INDONESIA MASTERS』のタイトルを手にしました。
    アン選手と山口選手の決勝での対決は連続3度目となります。先月デンマークとフランスで勝利をおさめ好調だった山口選手がハットトリックを狙って奮闘しましたが、アン選手は冷静さを保ちつつ、勝利への執念を見せる戦いを繰り広げました。
    第一セットでは、ゲームをリードしていたアン選手へ山口選手が激しいチャレンジを浴びせました。両選手とも攻撃と防御を繰り返し、シャトルを正確にコントロール。試合中、彼女たちの俊敏さによりコートカバーが失われることはありませんでしたが、アン選手が最後まで粘り、第一セットを21-17で制しました。第二セットでは、山口茜選手は攻撃を増やす戦法に変え、反応良く切り返しました。しかしアン選手はそのプレッシャーをものともせず、山口選手の攻撃を巧みにかわし、器用なショットで応戦しました。結局、韓国の若きエース、アン選手がマッチポイントまで持ちこたえ、21-19でゲームを制しました。『DAIHATSU INDONESIA MASTERS』のタイトルは、光州で開催された韓国マスターズ2019以降、アン選手が初めて手にするタイトルとなりました。

  • 男子ダブルス:インドネシアにとってつらい痛手!

  • 一時間近く続いた緊迫の3セットマッチ。トップシードのマルクス・フェルナルディ・ギデオン/ケビン・サンジャヤ・スカムルジョ選手ペアを抑え、勝ったのは日本の保木卓朗/小林優吾選手ペアでした。最終日に唯一のインドネシア代表として残っていた「ミニオンズ」の愛称で親しまれる選手たちの敗退は、何百万人ものインドネシアのバドミントンファンに衝撃を与えました。
    第一セットでは、過去3年連続『DAIHATSU INDONESIA MASTERS』を征しているミニオンズを日本人ペアが21-11で征し、皆を驚かせました。休憩後、集中力を高めたミニオンズは、彼らがトップシードとして選ばれた理由を見せつけました。ミニオンズは日本人ペアを長く激しいラリーへと誘い、ベースライン近くまで走らせることで体力を消耗させようとしました。その作戦が功を奏し、ミニオンズは第二セットを21-17で勝ち取り、流れを引き戻そうとします。しかし第三セットでは、保木/小林選手ペアは疲れを見せるどころか彼らの体力を見せつけ、さらに長く激しいラリーにミニオンズを引きずりこみました。結局、ミニオンズはプレッシャーに負けた形となり、保木/小林選手ペアが第三セットを21-19で勝ち取り、ギデオン/スカムルジョ選手ペアに初めて勝利しました。

  • 女子ダブルス:強すぎる松山/志田選手ペア

  • 松山奈未/志田千陽選手ペアが、破竹の勢いでファイナルまで勝ち上がったチョン・ナウン/キム・ヘジョン選手ペア(韓国)を21-9、21-11のストレート勝ちで下しました。
    多くの人が、この韓国人選手ペアに期待を寄せていました。なぜなら、チョン/キム選手ペアは、ペアとして2年以上のブランクがあり、本トーナメントへのエントリー時のランクが168位だったにも関わらず、ここまで高ランクの対戦相手に堂々と勝利を収めてきていたのです。しかし決勝では、第4シードの松山/志田選手ペアのスピード、俊敏さ、そして戦略にかなわず、敗北を喫してしまいました。松山/志田選手ペアは、長いラリーでも冷静さを失わずに我慢を続け、攻撃のチャンスを待ちました。そして最終的には彼女たちの戦略が功を奏し、松山/志田選手ペアは試合開始から46分で最終ポイントを獲得しました。

  • 混合ダブルス:タイのトップシード選手ペアが圧勝

  • 混合ダブルスでは、タイのデチャポン・プアバラヌクロ/サプシリー・タエラッタナチャイ選手ペアが、21-11、21-12で香港のタン・チュンマン/ツェ・イエンスエット選手ペアに圧勝しました。タン・チュンマン/ツェ・イエンスエット選手ペアは、セミファイナルで日本の渡辺勇大/東野有紗選手ペアを相手に戦っていましたが、ファイナルではその時のようなエネルギー、集中力、そして決断力を出し切ることができませんでした。過酷なセミファイナルからの疲れが見えた香港人ペアを相手に、プアバラヌクロ/タエラッタナチャイ選手ペアが総合的な強さとスピードを見せつけ、両セットともにすばやく決着をつけた形となりました。

  • バドミントン世界大会での栄誉を目指し戦い続けるトップ選手たち

  • 『DAIHATSU INDONESIA MASTERS 2021』の終了後、バドミントンファンの間では、インドネシアのバリで開催された5つのファイナルのうち3つを制した日本の話でもちきりになりました。実際、日本代表は5種目すべてでセミファイナルまで勝ち進み、そのうち4種目でファイナルまで進みました。最終的には、より力と経験がある選手たちがゲームの主導権を取り、独創性のある戦略やその場に合った戦法を打ち出し、その強さを証明しました。ラチャノック・インタノン選手、ビクター・アクセルセン選手、アンソニー・ギンティング選手、プサルラ・V・シンドゥ選手、そしてグレシア・ポリー/アプリヤニ・ラハユ選手ペアといったシード権を持ちながらも勝ち進めなかった選手たちは、次の試合でより良いパフォーマンスを発揮できるよう、調整が必要になるでしょう。

優勝選手インタビュー

  • 桃田賢斗

    (男子シングルス優勝)

  • 「とても嬉しいです。この大会で勝つためにとても努力し、そして、両方のゲームでベストを尽くしました。特別なことはせず、焦らずショットを返しました。自分の力を出し切ることが優勝につながったと思います。そして、アントンセン選手という強い選手と対戦できたことを嬉しく思います。自分にとっては、今日の試合は楽しいものになりましたが、彼にとってはそうではなかったと思います。とても疲れたので、明日は丸一日休んで、また来週のインドネシア・オープンでベストを尽くしたいと思います。」

  • 松山奈未/志田千陽

    (女子ダブルス優勝)

  • 「試合は接戦で、ゆっくり長いラリーを続けた対戦相手の戦いぶりには苦戦しました。私たちは試合中ずっと我慢強く戦わなければなりませんでした。」と志田選手。
    韓国ペアとの試合は、タイペアとの準決勝とは全く異なりました。「タイの選手は忍耐強く動きも速いことで知られています。チョン/キム選手ペアとは初めての対戦でしたが、こちらの集中力が切れた場面もありましたが、早い段階で最適な戦略で戦うことができました。」と松山選手。
    優勝を勝ち取った今、志田選手は次のトーナメントのトレーニングスケジュールが出るまでの間、少し休んでウェスティンリゾートの施設を楽しみたい、と付け加えました。「ビーチで遊んだり、プールサイドで座ったりするのも楽しそうです。」と志田選手のコメントでした。

  • アン・セヨン

    (女子シングルス優勝)

  • 「とても嬉しいです。ひとつかふたつミスはありましたが、そのような自発的なミスを修正できるようになりました。そして今日、このタイトルを獲得できたことを本当に嬉しく思います。マッチポイントは意識しませんでした。一点ずつ確実に取るようにしました。このタイトルを持ち帰り、一番の思い出として振り返りたいです。」

  • 保木卓朗/小林優吾

    (男子ダブルス優勝)

  • 「優勝できてとても嬉しいです。今まで勝てなかった、世界ランク1位の男子ダブルスペアを打ち破ったことは、私たちにとってとても大きな勝利です。本当に自信になります。
    戦略と呼べるものはありませんでしたが、マルクスとケビンは疲れていたように感じました。シャトルのスピードも遅かったため、積極的に攻撃すべきだと判断しました。長いラリーが何度か続き、それが自分たちに有利に働いたのかもしれません。マッチポイントでは、神経質になりすぎないようにしました。ベストを尽くし、プレッシャーに負けずにプレーしたかったので。
    残りのバリ滞在期間中、自信と勢いを落とさないようにしていきたいですが、この大きな勝利のおかげで、今はかなり高いところにあります。来週の一回戦でまた強いインドネシアのペア(モハマド・アッサン/ヘンドラ・セティアワン選手)と戦う予定なので、この自信を落とさないことが大切だと思います。」

  • 本大会の総評と2022年に向けて

  • ウェスティンリゾート バリで開かれた『DAIHATSU INDONESIA MASTERS 2021』は、5種目のうち3つで勝利を収めた日本人選手たちを讃える言葉で締めくくられました。マルクス・フェルナルディ・ギデオン/ケビン・サンジャヤ・スカムルジョ選手ペアを、彼らの自国であるインドネシアで初めて打ち破った男子ダブルスの保木卓朗/小林優吾選手ペアにとっては、思い出に残るトーナメントとなりました。また、2019年に負けたアンダース・アントンセン選手への雪辱を果たした男子シングルスの桃田賢斗選手にとっても、素晴らしいトーナメントになったに違いありません。
    いつもゲームを盛り上げていた熱烈なインドネシアのファンたちの姿がないことは、インドネシア選手たちを寂しくさせました。しかし中国選手も不在のなか、デンマークを筆頭とするヨーロッパ、アジア、インド、マレーシア、そして韓国から腕に磨きをかけた選手たちが集まり、例年以上に白熱した試合を繰り広げました。
    インドネシアのファンたちは、会場へ入場はできなかったものの、選手たちに変わらぬ好意と支持を示し、多くの選手たちに贈り物や花束が寄せられました。インドネシアバドミントン協会とウェスティン バリは、落ち着いた環境でアクティビティやエンターテインメント、そして最高のおもてなしを提供するために、多大なる努力を重ねてきました。ダイハツは、インドネシアの一流ブランドのひとつとして、このトーナメントを成功へと導いたインドネシアバドミントン協会とウェスティンリゾートの尽力とサポートに、感謝の意を表します。多くの意味で「特別」となった今大会は、後世の記憶に長く残ることでしょう。

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