
PERODUA MALAYSIA MASTERS 2022 Presented by DAIHATSU
Part of the HSBC BWF World Tour Super 500
大会レポート
開催日時:2022年7月5日(火)~10日(日)
開催場所:アクシアタアリーナ、クアラルンプール、マレーシア
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2009年から続くマレーシアマスターズ選手権の一環である『PERODUA MALAYSIA MASTERS 2022 Presented by DAIHATSU』が、2022年BWFワールドツアーの13番目の大会として2022年7月5日~10日に開催されました。
『PERODUA MALAYSIA MASTERS 2022 Presented by DAIHATSU』は2年の開催自粛期間を経てクアラルンプール(マレーシア)のアクシアタアリーナで賞金総額36万米ドルをめぐる大会が開催されました。世界バドミントン連盟(BWF)の認可を受けてマレーシアバドミントン協会(BAM)が主催する『PERODUA MALAYSIA MASTERS』は、7つあるBWFワールドツアースーパー500大会のうちの1つに数えられています。
マレーシアからは60名を超える選手が出場し、栄誉あるタイトルを目指して戦いました。男子ダブルスのアーロン・チア/ウーイック・ソー選手ペア(マレーシア)、混合ダブルスの前回チャンピオンであるジェン・スーウェイ/ファン・ヤーチョン選手ペア(中国)といったファン期待の選手たちが出場し、優勝を目指し全力でプレーしました。
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6日間にわたって行われた大会は、終始観客の熱気に満ちあふれ、熱狂的なファンの応援が響き渡りました。会場で観戦できない人たちも、BAMのFacebookページやBWFのYouTubeチャンネルでライブ配信された試合を観戦し、友人や家族と一緒に国民のヒーローである選手を応援しました。
今年の『PERODUA MALAYSIA MASTERS 2022 Presented by DAIHATSU』は、才能溢れる選手たちのスポーツマンシップや湧き上がる試合の興奮を祝うだけでなく、何よりも選手たちを応援し大会をサポートし続けてくれたファンが戻ってきたことを祝う大会になりました。
決勝戦 試合一覧
種目 | 選手名 | 試合内容 |
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男子シングルス | チコ・アウラ・ドゥイ・ワルドヨ(インドネシア) 2-0 ン・カロン(香港) | 22-20 / 21-15 |
女子シングルス | アン・セヨン(韓国) 2-0 チェン・ユーフェイ(中国) | 21-17 / 21-5 |
男子ダブルス | ファジャル・アルフィアン/ムハンマド・リアン・アルディアント(インドネシア) 2-0 モハマド・アッサン/ヘンドラ・セティアワン(インドネシア) | 21-12 / 21-19 |
女子ダブルス | チェン・チンチェン/ジア・イーファン(中国) 2-0 松山奈未/志田千陽(日本) | 21-11 / 21-12 |
混合ダブルス | ジェン・スーウェイ/ファン・ヤーチョン(中国) 2-0 リノフ・リファルディ/ピタ・ハニンティヤス・メンタリ(インドネシア) | 21-17 / 21-12 |
世界トップの選手たちが繰り広げたゲームをレポート!
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男子シングルス:ワルドヨ選手が優勝
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5月のバドミントンアジア選手権で話題となっていた24歳のチコ・アウラ・ドゥイ・ワルドヨ選手(インドネシア)は、準決勝までに4人の強豪を破って注目を集めました。決勝戦は45分間の激しい戦いとなり、ワルドヨ選手が前回チャンピオンのン・カロン選手(香港)を22-20、21-15で下しました。世界ランク45位のワルドヨ選手にとって念願となる、2017年以来2度目のマレーシアにおけるタイトル獲得となりました。両選手のポイントの奪い合いが続く中、ワルドヨ選手が優勢になっていき、第2セットで15-10の差を付けた時点で勝利が目の前に見えてきました。ン選手は、ワルドヨ選手の安定したフォーム、テクニック、度重なるスマッシュやネット際のプレーについていけず、シャトルを返すのも難しくなりました。そして最後の21点目が決まると、ワルドヨ選手は興奮で信じられないといった様子で膝をつき、自身の勝利を称えました。
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女子シングルス:アン選手が壁を破る!
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女子シングルスのアン・セヨン選手(韓国)はチェン・ユーフェイ選手(中国)に対して7連敗を喫していましたが、今回ついにその壁を破り、21-17、21-5でチェン選手を下して優勝しました。この勝利によってアン選手はチェン選手に対する連敗記録を止めただけでなく、韓国の女子選手として初の『PERODUA MALAYSIA MASTERS』におけるタイトル獲得となりました。アン選手は序盤でいくつかミスがあったものの、第2セットではほとんどミスなくセットを終えました。アン選手はネット際に強く、チェン選手がネットインしたシャトルを打ち返すのに苦労する場面が何度も見受けられました。正確かつ安定したパフォーマンスでプレッシャーをかけ続けられたチェン選手は、結局リズムを取り戻すことができず試合を終えました。世界ランク4位のアン選手は、世界ランク3位である前回チャンピオンのチェン選手を破ったことが自分でも信じられないと試合後に語っていました。
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男子ダブルス:アルフィアン/アルディアント選手ペアが再び優勝
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男子ダブルスでは、インドネシアのムハンマド・リアン・アルディアント/ファジャル・アルフィアン選手ペアが、同国の先輩であるモハマド・アッサン/ヘンドラ・セティアワン選手ペアを21-12、21-19の僅差で下しました。アルディアント/アルフィアン選手ペアは、第1、第2セットをともに情熱的なプレーを見せました。インドネシアペア同士の熱い思いがぶつかり合い、観客は全力のサポートと熱意をもって両ペアを応援しました。第2セットでは両ペアの攻防が続き、第3セットまでもつれるのか、それともこのまま先輩ペアの「ダディーズ」が敗れてしまうのかと緊迫した空気に包まれていました。試合の終盤、タイトル獲得を目の前にしたアルディアント/アルフィアン選手ペアにとって必要なのは安定したプレーを保つことだけでした。スマッシュを連発し、1つもミスをせず、先輩である相手ペアのリズムを確認しながら試合を進めたアルディアント/アルフィアン選手ペアが、見事勝利をつかみました。
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女子ダブルス:強すぎるチェン/ジア選手ペア
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中国のチェン・チンチェン/ジア・イーファン選手ペアが40分も掛からずに試合を決め、日本の松山奈未/志田千陽選手ペアを破りました。チェン/ジア選手ペアは強靭なパワーで松山/志田選手ペアにプレッシャーをかけ一気に試合を運ぶ中、松山/志田選手ペアがスマッシュを返そうとしてもネットに捕まるミスが続く展開をファンは試合中ずっと手に汗を握って見守りました。松山/志田選手ペアはトーナメントに残った唯一の日本ペアであり、最後まで試合をあきらめず果敢に戦う様子から、2人の頂点に抱く思いをファンに届けるも、チェン/ジア選手ペアは疲れを見せずにゲームを支配し、最終的には21-11、21-12で女子ダブルスの覇者となりました。
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混合ダブルス:ジェン/ファン選手ペアの勢いが止まらない!
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ディフェンディングチャンピオンである中国のジェン・スーウェイ/ファン・ヤーチョン選手ペアがインドネシアのリノフ・リファルディ/ピタ・ハニンティヤス・メンタリ選手ペアを21-17、21-12で下しました。世界ランク1位であるジェン/ファン選手ペアは絶好調のまま持ち前の実力を発揮し、32分も掛からずにリファルディ/メンタリ選手ペアを破り、前回大会に続き『PERODUA MALAYSIA MASTERS 2022 Presented by DAIHATSU』での2大会連続優勝を飾りました。インドネシアオープン、インドネシアマスターズ、そしてマレーシアオープンを制した新たなアジアチャンピオンであるジェン/ファン選手ペアは、向かうところ敵なしといった情熱的なプレーを見せ、相手ペアは戦略を見出せずにいました。第1、第2セットともに激しいアタックで攻められ、ファルディ/メンタリ選手ペアにとっては厳しい戦いとなり、ディフェンスによる体力の消耗が明らかでした。
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勝利の栄光を手にするため戦い続ける選手たち
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『PERODUA MALAYSIA MASTERS 2022 Presented by DAIHATSU』の終了後、バドミントンファンの間では、アクシアタアリーナで行われた5種目のうちそれぞれ2種目を制したインドネシアと中国の選手の話題で持ちきりになりました。6日間の大会を通して数多くのテクニックが披露されるほか、緊迫したプレーが幾度となく展開され、特に地元期待のパール・タン/ティナア・ムラリタラン選手ペアとアーロン・チア/ウーイック・ソー選手ペアが出場する試合を、ファンは手に汗を握って見守りました。
独創性やテクニックを駆使して相手を上回った選手たちが今大会の主役となり、『PERODUA MALAYSIA MASTERS 2022 Presented by DAIHATSU』で勝利の栄光をつかみました。
男子シングルス優勝のチコ・アウラ・ドゥイ・ワルドヨ選手(インドネシア)は、休む間もなく7月12日からシンガポールで開催されるシンガポールオープン2022でさらなるタイトル獲得を目指します。他の優勝選手たちも、シンガポールオープン2022、さらに8月21日~28日に東京で開催される2022年世界バドミントン選手権大会における金メダル獲得に照準を定めています。
フォトギャラリー
優勝者インタビュー
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アン・セヨン(韓国)
(女子シングルス優勝)
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「勝てたのが信じられません。本当に夢みたいです。今夜は眠れません!」
「チェン選手には何度も負けていました。過去の対戦から多くを学び、彼女のビデオを見て研究しました。彼女に勝つことを考えるのではなく、自分のプレーを良くすることに集中しました。自分との戦いでした。」
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チコ・アウラ・ドゥイ・ワルドヨ(インドネシア)
(男子シングルス優勝)
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「夢がかなった、誇らしい瞬間です。自分の競技人生の中でも重要なタイトルであり、大切な瞬間になりました。」
「スーパー500で初優勝できてもちろん嬉しいし、誇りに思います。ここで勝てると思っていなかったのですが、大会前に非常に良い準備ができていたので、そのおかげでもあると思います。」
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チェン・チンチェン/ジア・イーファン(中国)
(女子ダブルス優勝)
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「ここ最近の大会で一番の試合だったと思います。決勝に行くまで厳しい道のりでしたが、気持ちを調整してからは楽にプレーできたと思います。」(ジア選手)
「以前は、準々決勝、準決勝に進まないといけない、優勝しないといけないと常に考えていました。しかし準々決勝まで来られた、きつかったけど準決勝まで来られた、もう決勝にいるんだ、と原点に立ち返る必要があると思っています。過去の成績については考えず、初志をおろそかにしないようにしました。」(チェン選手)
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ジェン・スーウェイ/ファン・ヤーチョン(中国)
(混合ダブルス優勝)
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「体力面でも気持ちの面でもほとんど変わらずに勝ち続けられていることに驚いています。高いレベルでプレーするよう自分たちを追い込まなくてはならなかったので、あまり良いプレーができたとはいえません。」(ファン選手)
「疲労困憊で、最後まで戦い抜くよう自分たちを追い込む必要がありました。間違いなくこれまでの大会よりも厳しいものでしたが、もちろん勝てたことにとても満足しています。」(ジェン選手)
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ファジャル・アルフィアン/ムハンマド・リアン・アルディアント(インドネシア)
(男子ダブルス優勝)
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「今日の決勝で勝てて良かったです。先週は準優勝、そして今日は優勝できましたが、やはり簡単ではないですね。スタミナが尽きていますが、我々は立ち上がる手段を知っていますし、さらに良くしていけると思います。」(アルフィアン選手)
「ここまで優勝3回、準優勝3回ですが、まだまだ研究する部分があります。世界選手権大会を含め、この先も多くの大会が残っているので、簡単に満足したくないと思っています。」(アルディアント選手)
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本大会の総評と2023年に向けて
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クアラルンプールのアクシアタアリーナで開催された『PERODUA MALAYSIA MASTERS 2022 Presented by DAIHATSU』はたゆまぬ興奮のなか幕を閉じ、それぞれインドネシアと中国が5種目のうち2つで優勝するという結果になりました。記憶に残るプレーやテクニックが多くの選手によって披露され、ファンと選手どちらも熱気にあふれた大会となりました。ジェン/ファン選手ペアといった前回チャンピオンたちは疲労に苦しみながらも全力を尽くし、インドネシアのファン期待のアルフィアン/アルディアント選手ペアは、同じくインドネシアのアッサン/セティアワン選手ペアとの真っ向勝負を繰り広げました。またアン・セヨン選手は、韓国の女子選手として初のタイトル獲得という偉業を達成しました。
激しい戦いは決勝戦まで続き、ファンは手に汗を握りながら今年のチャンピオンが決まるのを見守りました。コロナ感染拡大によって長きにわたり不在だったファンとの再会に喜びを感じながら、大会を通してすべての選手が全力を尽くし、情熱的なプレーが繰り広げられました。
アクシアタアリーナでは、熱狂的なファンたちが戻ってきたことを祝って多くのブースやイベントが用意されました。正面入口にはプロドゥアの車両展示ブースがファンを迎え入れ、最新モデルの車両が展示されました。また、プロドゥアPRブースではさまざまな景品が当たるゲームや、幸運な選ばれたファンが有名な選手に会える「ミート&グリート」が実施され、女子ダブルスの福島由紀/廣田彩花ペア、マレーシア男子ダブルスのジュナイディ・アリフ/ムハンマド・ハイカル ペアとゴー・ジーフェイ/ヌル・イズディン ペアがブースを訪れました。大切なファンの皆様が会場で試合を観戦し、各ブースでのゲームやイベントに楽しんでご参加いただけたことで、『PERODUA MALAYSIA MASTERS 2022 Presented by DAIHATSU』は例年以上の盛り上がりとなりました。
プロデュアとダイハツは、マレーシアのトップブランドのひとつとして、ファンならびに運営陣や選手たちに興奮と笑顔をもたらしたこの素晴らしい大会を成功へと導いたマレーシアバドミントン協会のご尽力に心より感謝の意を表します。