DAIHATSU INDONESIA MASTERS 2022
Part of the HSBC BWF World Tour Super 500
大会レポート

開催日時:2022年6月7日(火)~12日(日)
開催場所:イストラ・スナヤン、ジャカルタ、インドネシア

  • 『DAIHATSU INDONESIA MASTERS』が2022年6月7日~12日にジャカルタのイストラ・スナヤンで再び開催されました。このバドミントン大会はダイハツの協賛で2018年から開催されており、世界中から447人を超える選手が出場し、栄誉あるタイトルを求めて戦いました。
    昨年は新型コロナウィルス感染症の厳重な予防措置によりバリにて制限下での開催となりましたが、今年は熱狂的なファンの声援が戻り、最後の瞬間まで選手たちに届けられました。
    2年間の厳しい措置や隔離を経て、ケータリングブースやスポンサーブースなど様々な催し物が会場に復活し、帰ってきたファンを迎え入れました。

  • すべての選手がこれまで以上のパフォーマンスを発揮しただけでなく、インドネシア政府による75%の人数制限があったにもかかわらず高い観客動員数を記録したという点でも今大会は真の成功を収めたといえ、来場されたファンに大きな感謝の意が示されました。
    また、会場近くで行われたパブリックビューイングには、チケットを購入できなかったファンたちも応援に駆けつけ試合を観戦し、友人や家族と一緒に国民のヒーローである選手や好きな選手を応援するファンで会場の内外が満たされ、歓声が響き渡りました。

  • 今年の『DAIHATSU INDONESIA MASTERS 2022』は、バドミントンやその優れた選手たちを祝うだけでなく、この大会を今日まで支えてきたファンが戻ってきたことを祝う大会にもなりました。

決勝戦 試合一覧

種目 選手名 試合結果
男子シングルス ビクトル・アクセルセン(デンマーク) 2-0チョウ・ティエンチェン(台湾) 21-10 / 21-12
女子シングルス チェン・ユーフェイ(中国) 2-1 ラチャノック・インタノン(タイ) 21-16 / 18-21 / 21-15
男子ダブルス ファジャル・アルフィアン/ムハンマド・リアン・アルディアント(インドネシア) 2-0リャン・ウェイカン/ワン・チャン(中国) 21-10 / 21-17
女子ダブルス チェン・チンチェン/ジア・イーファン(中国) 2-0 アプリヤニ・ラハユ/シティ・ファディア・シルバ・ラマダンティ(インドネシア) 21-18 / 21-12
混合ダブルス ジェン・スーウェイ/ファン・ヤーチョン(中国) 2-0 トム・ジケル/デルフィーヌ・デルリュ(フランス) 21-13 / 21-14

世界トップの選手たちが繰り広げたゲームをレポート!

  • 男子シングルス:アクセルセン選手の完勝

  • 男子シングルスの決勝は台湾のチョウ・ティエンチェン選手とデンマークのビクトル・アクセルセン選手の戦いとなりました。オリンピックチャンピオンであるアクセルセン選手は勢いに乗っており、第3シードである台湾のチョウ・ティエンチェン選手に対しわずか41分でストレート勝ちしました。世界ランキング4位のチョウ選手に対し、アクセルセン選手は完璧なプレーを見せ、21–10、21–12で試合を終えました。アクセルセン選手は序盤からいくつものスマッシュを決めてゲームを支配し、チョウ選手の体力を消耗させました。最後のポイントが決まった直後、アクセルセン選手は自らの勝利が信じられず、最後まで歓声を上げていた観客たちの方に向かってラケットを投げるほど興奮していました。アクセルセン選手は、全英オープンとヨーロッパ選手権という2つの有名な大会でも優勝しており、今シーズン3つ目の個人タイトル獲得となりました。

  • 女子シングルス:強すぎるチェン選手!

  • タイのラチャノック・インタノン選手がオリンピックチャンピオンである中国のチェン・ユーフェイ選手に果敢に挑み、第3セットまでもつれましたが、最終的にはチェン選手が21–16、18–21、21–15で勝利しました。インタノン選手の特徴的なプレースタイルである長いラリーやネットプレーが何度も展開されました。第2セットは特に激しい展開となり、このままインタノン選手が勝つのではという雰囲気もありましたが、第3セットではインタノン選手のささいなミスが続いたこともあり、チェン選手に有利な展開に変わりました。チェン選手にとっては東京2020オリンピックで優勝して以降初の個人大会優勝となり、また『PERODUA MALAYSIA MASTERS 2020 Presented by DAIHATSU』で優勝して以降初のBWFワールドツアー大会での優勝となりました。

  • 男子ダブルス:アルフィアン/アルディアント選手ペアがイストラ・スナヤンで初優勝

  • インドネシアのファジャル・アルフィアン/ムハンマド・リアン・アルディアント選手ペアが勝利し、BWFワールドツアーでのさらなるタイトル獲得、またイストラ・スナヤン会場における初優勝となり、インドネシアの男子ダブルスの栄光を取り戻しました。2人は強力なパワーと果敢なアタックで相手ペアにプレッシャーをかけ、一気に試合を運びました。第1セットでは、中国のリャン・ウェイカン/ワン・チャン選手ペアに対し11-3の点差を付けた時点で試合の行方を決定づけ、そこからひたすら点差を広げていきました。第2セットでは、第3セットでの逆転の望みをかけて中国ペアがいくつもアタックを決めましたが、最終的にはインドネシアペアが追い付き、21-10、21-17で勝利しました。

  • 女子ダブルス:チェン/ジア選手ペアが金メダル獲得

  • 開催国であるインドネシアのアプリヤニ・ラハユ/シティ・ファディア・シルバ・ラマダンティ選手ペアにとっては、女子ダブルス世界ランキング1位のチェン・チンチェン/ジア・イーファン選手ペア(中国)に挑むという厳しい戦いになりました。2022年に結成したばかりのラハユ/ラマダンティ選手ペアでしたが、この決勝では18-21、12-21で敗れる結果となりました。序盤は好調でしたが、繰り返しのアタックでも中国ペアの素晴らしいディフェンスを破ることはできず、第1セットを落としました。第2セットでもネットを越えないミスが続いて試合を優勢に運ぶことはできず、ホームで金メダルが取れないのではという不安が会場のファンを包みました。ラハユ/ラマダンティ選手ペアは東南アジア競技大会を制していましたが、チェン/ジア選手ペアのリズムに敵うことはできませんでした。

  • 混合ダブルス:ジェン/ファン選手ペアが歴史をつくる!

  • 中国のジェン・スーウェイ/ファン・ヤーチョン選手ペアが『DAIHATSU INDONESIA MASTERS』の最多優勝ペアとして歴史をつくり、2018年、2019年、2020年に続く新たなタイトルの獲得となりました。世界ランク2位であるジェン/ファン選手ペアとフランスのトム・ジケル/デルフィーヌ・デルリュ選手ペアは今回が初の対戦となり、共に相手チームのプレーやスキルをほとんど知らない中での対戦となりました。序盤、ジェン/ファン選手ペアは試合のリズムをつくれずにいましたが、徐々に持ち直し、適切な戦略で相手のフランスペアを下しました。東京2020オリンピック銀メダリストであるジェン/ファン選手ペアは、わずか38分で、21-13、21-14のストレート勝ちを収めました。

  • バドミントン世界大会での栄誉を目指し戦い続ける選手たち

  • 『DAIHATSU INDONESIA MASTERS 2022』の終了後、バドミントンファンの間では、今回イストラ・スナヤン会場で行われた5種目のうち3つを制した中国選手の話題でもちきりになりました。実際、中国チームは全力を尽くしてこの成績を収めたといえるでしょう。大会を通してトップ選手たちのさまざまなテクニックが披露され、予測不能でハラハラさせる試合展開はファンを魅了しました。多くの試合は40分も掛からずに、あっという間に決着がつきました。
    最終的には、試合に適応し、より独創的なテクニックや適切な戦略を駆使して相手を上回った選手たちが、『DAIHATSU INDONESIA MASTERS 2022』で優勝を果たしました。
    インドネシアの男子ダブルスペアであるファジャル・アルフィアン/ムハンマド・リアン・アルディアント選手ペアは、地元の英雄として休む間もなく、同じ会場で6月14日(火)から開催される重要な大会であるインドネシアオープンに出場します。ビクトル・アクセルセン選手もさらなるタイトル獲得を目指して同大会に出場し、その後マレーシアで連続して開催される2つの大会へと向かいます。

優勝選手インタビュー

  • ジェン・スーウェイ/ファン・ヤーチョン

    (混合ダブルス優勝)

  • 「相手のサーブが良かったのですが、取れるようになってからは自信をもってプレーできました」とファン選手。
    「厳しい戦いで、場に慣れるのにも苦労しましたが、幸いにもそれを乗り越え、勝つことができました。イストラの観客の方も力になりました。とても温かい方たちで、全力を出すモチベーションを与えてくれました」とジェン選手。

  • ビクトル・アクセルセン

    (男子シングルス優勝)

  • 「イストラでプレーするのは大好きで、イストラの大会で優勝することをいつも夢見ていました。伝説的な会場ですから、優勝できたことは私にとって本当に特別なことです。チョウ選手はいつも手ごわい相手で、何度も戦っているので、勝つことができて嬉しいです。」

  • チェン・ユーフェイ

    (女子シングルス優勝)

  • 「金メダルを取れてとても嬉しいです。試合では難しい場面もありましたが、それを乗り越えて優勝できたのでとても嬉しく思います。前の試合で消耗していたこともあるので、正直なところコンディションは落ちています。インドネシアオープン2022には、回復した状態で臨みたいと思います。」

  • チェン・チンチェン/ジア・イーファン

    (女子ダブルス優勝)

  • 「久しぶりに観客の声援を聞けてとても嬉しいです。相手のインドネシアペアとは初めての対戦で、序盤は相手のアタックが続く中で試合のリズムをつかめずにいましたが、その後、戦略を見出して勝つことができました」とジア選手。
    「ここで勝つことができてとても嬉しいです。次の大会(インドネシアオープン2022)に向けてさらに自信がつきました」とチェン選手。

  • ファジャル・アルフィアン/ムハンマド・リアン・アルディアント

    (男子ダブルス優勝)

  • 「第1ゲームは余裕をもってプレーできていましたが、第2ゲームでは風に苦しみました。幸いにもそれを乗り越え、さらに自信がついていきました。もっと調子を安定させて、スイスオープン以降のプレーをさらに良くしていき、男子ダブルスの世界ランキングで5位以内に入れるようになりたいと思います」とアルフィアン選手。
    「安定させるだけではなく、今月末にはトップ5に戻ることを目指しています。今年の終わりまでにはトップ3に入りたいと思います」とアルディアント選手。

  • 本大会の総評と2023年に向けて

  • ジャカルタ(インドネシア)のイストラ・スナヤンで行われた『DAIHATSU INDONESIA MASTERS 2022』は、決勝に進んだ4種目のうち3つで優勝するという中国選手の活躍が目立つ結果となりました。混合ダブルスのジェン・スーウェイ/ファン・ヤーチョン選手ペアが『INDONESIA MASTERS』の最多タイトルを獲得するという歴史をつくった点でも記憶に残る大会となりました。さらに感動的だったのは、男子ダブルスのファジャル・アルフィアン/ムハンマド・リアン・アルディアント選手ペアが、開催国で、しかも有名なイストラ・スナヤン会場で初優勝を果たしたことです。

    2年間不在だった熱狂的なファンが再び集まったことにより、選手たちはどの試合でも最初から最後まで全力を尽くすことができました。決勝でも試合は激しい展開となり、ファンは興奮しながら今年のチャンピオンが決まるのを見守りました。

    大切なインドネシアのファンの皆様が戻ってきたことを祝い、ダイハツは、大規模なPRブースと車両展示ブースを設置し、記念撮影スポットの設置や、ファンの方がさまざまな商品を勝ち取るチャンスのあるイベントを開催しました。また、選ばれた幸運なファンのみがお気に入りの選手に会える「ミート&グリート」を実施し、台湾のチョウ・ティエンチェン選手、マレーシアのリー・ジージャ選手、さらに地元インドネシアで人気のアンソニー・ギンティング選手とシティ・ファディア・シルバ・ラマダンティ選手にも参加していただきました。

    ダイハツは、インドネシアの一流ブランドのひとつとして、ファンに笑顔をもたらしたこの素晴らしい大会を成功へと導いたインドネシアバドミントン協会(PBSI)、そして大会を通して安全衛生ガイドラインが守られることを徹底したインドネシア保健省に、感謝の意を表します。「ファンが戻った年」として、今大会は多くの意味で長い間記憶に残ることでしょう。

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