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logo バドミントン界を牽引する
日本人選手たち
〜ジャパンオープン2018に向けて
小椋久美子さんが注目する選手とは〜

今年で37回目の開催となるジャパンオープンは、世界バドミントン協会(BWF)公認の国際大会。今回から大会のレベルがアップし、BWFワールドツアー「スーパー750」となり、賞金総額も700,000ドルへ倍増し、世界ランク32位以内の選手のみが出場する世界有数の大会となります。会場は2020年の東京オリンピックのバドミントン競技会場となる「武蔵野の森総合スポーツプラザ」へと移り、TOKYO2020を見据える世界のバドミントンプレーヤーたちからも、注目される大会のうちの1つです。そこで、ジャパンオープンはもちろんオリンピックへの出場経験もお持ちの小椋久美子さんに、ジャパンオープンの魅力と、今大会で活躍が期待される選手、そして2020年に向けて日本バドミントン界を担う日本人選手たちについて語っていただきました。

スケールアップしたジャパンオープンは、ここに注目!

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今年からバドミントンの国際大会のランキングが大きく変わって、ジャパンオープンはBWFワールドツアー「スーパー750」というレベルの、世界有数の国際大会になります。今回から世界ランキング上位32位以内の選手しか出場できなくなり、自国開催である日本人選手たちにとっても出場が難しい大会になりました。逆にランキング上位選手たちには出場義務があるので、世界トップレベルの選手たちは必ず出てきます。そういう意味で非常にレベルの高い、見応えのある大会になるでしょう。

また今年から会場が「武蔵野の森総合スポーツプラザ」になります。ここは2020年の東京オリンピックの会場となる場所なので、世界中の選手たちがこのコートでの試合経験を積みたいと思っているはずです。日本人選手たちも、まだあまりプレーしたことがないらしいので、この大会で会場の雰囲気をつかみたいと思っているでしょう。実は私は先日あるイベントで「武蔵野の森総合スポーツプラザ」のメインアリーナでプレーする機会があったのですが、壁が黒っぽいので、シャトルが見えやすくて、とても打ちやすかったです。また天井までの高さもけっこうある会場なので、観客席も多くてファンの方も試合が見やすいと思います。

今年のジャパンオープン、小椋さんが注目するこの選手!

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桃田賢斗選手

今大会一番の注目は、何と言っても男子シングルスの桃田賢斗選手でしょう。今年はすでにさまざまな大会で結果を出していますが、ブランク期間を経て、より一層成長しているという実感がありますね。元々センスも実力もある選手ですが、特にレシーブがすごく良くなっていると思います。守りのレシーブではなく、攻撃につながるレシーブがしっかりとできていて、フットワークのブレもなく、体の芯もしっかりしている。元々の実力に加えて、最近の活躍で自信が加わっているように思えますね。経験を力に変えられる頭を持っている選手なので、今回のジャパンオープンでも、きっと結果を出してくれることでしょう。日本のファンも国内の大きな大会で彼の優勝を見たいと思っているはずなので、桃田選手にはぜひ頑張って欲しいですね。

女子シングルスでは、やはり山口茜選手と奥原希望選手の二人に注目せざるを得ません。山口選手は良い時は手を付けられないくらいスゴいプレーをする選手ですし、他の選手にないセンスの良さやトリッキーなショットを持っているので、序盤からゲームの主導権を取っていけばとても強い選手です。また山口選手自身もジャパンオープンは相性の良い大会だと言っているので、かなり気合いを入れて出てくると思います。
また奥原選手は、先日行われた「タイオープン2018」でも優勝しましたし、ゲームのイメージは悪くないので、今大会でも調子を上げて臨んでくると思います。リオ五輪では山口選手と直接対決しましたが、ジャパンオープンでもこの二人の再戦が見られるかもしれません。とても楽しみですね。

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    山口茜選手

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    奥原希望選手

男子ダブルスでは、園田啓悟選手と嘉村健士選手の「ソノカムペア」ですね。ここ数大会、嘉村選手の前衛での動きがとても良くて、ゲームを作るのが上手くなっています。またこれまではどちらかというと、嘉村選手が引っ張っていく存在でしたが、今年は園田選手の積極的な動きも目立つようになってきました。元々低空戦が得意なペアなので、ゲームの主導権を取っていけば、優勝の可能性も高いと思います。

女子ダブルスは、髙橋礼華選手と松友美佐紀選手の「タカマツペア」、そして福島由紀選手と廣田彩花選手の「フクヒロペア」の二組は、国際大会での経験も豊富ですし、勝負処も心得ています。両ペアとも、とても闘志のある選手たちなので、この二組の試合は意地と意地との戦いになって、かなり見応えのある試合になると思いますよ。
それにもちろん、世界選手権で見事金メダルを穫った永原和可那選手と松本麻佑選手のペアにも注目です。彼女たちは元々攻撃型のプレーをするペアですが、レシーブも攻撃的です。今一番勢いに乗っていると思いますし、世界を制した完全なる攻撃型ペアのプレーを体感してほしいと思います。

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    園田啓悟/嘉村健士ペア

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    髙橋礼華/松友美佐紀ペア

混合ダブルスでは、渡辺勇大選手と東野有紗選手のペアに注目です。全英オープンでの優勝という日本人初の快挙を達成していますし、とにかく大舞台に強いペアです。混合ダブルスは、女子が手を出さないと勝てないといわれるのですが、前衛の東野選手は、力強いジャンピングスマッシュなども得意とする野性的なプレーヤーで、その積極的なプレーは相手に恐れられるほどです。渡辺選手はパワーよりも技術やテクニックで戦うスタイルなので、東野選手の気合いと渡辺選手のテクニックが上手く噛み合えば、今大会でも十分に優勝を狙えるでしょう。

桃田・山口・奥原だけじゃない、この選手にも注目して!

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常山幹太選手

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遠藤大由/渡辺勇大ペア

今大会での活躍ももちろんですが、2020年に向けて、日本バドミントン界の次世代を担う選手として注目して欲しい選手たちがいます。
男子シングルスでは常山幹太選手。まだ22歳の若い選手ですが、ここ最近の成長が著しくて、この間の「タイオープン2018」でも優勝しました。しっかりとした配球ができる選手で、相手が読みにくいショットを打ちます。どちらかというと粘り型の選手で精神力が強いと思います。今はまだ線が細いので、パワーではなくコントロールの巧さで勝負していますが、まだ若くて伸び盛りなので、これからどのように成長していくのか楽しみな選手です。

女子シングルスでは髙橋沙也加選手に注目です。今はB代表ですが、「シンガポールオープン2018」でも優勝しましたし、元々実力がある選手です。海外で通用するだけの角度やショット、高さを持っているので、今大会でも山口選手や奥原選手を脅かす存在になるかもしれません。

男子ダブルスでは、井上拓斗選手と金子祐樹選手のペアと、遠藤大由選手と渡辺勇大選手のペアが、「ソノカムペア」に次ぐ存在ですね。特に井上・金子ペアは、二人とも予測不能なプレーをするくせものなので、今大会でも面白い試合を見せてくれると思います。

女子ダブルスは、櫻本絢子選手と髙畑祐紀子選手のペアに注目して欲しいですね。出場試合が少ないのでランクはまだ低いのですが、いま一番の注目ペアです。特に最近は、試合中の目つきや表情が良くなってきていて、代表としての自覚を感じる雰囲気が出てきました。A代表に追いつくというより、あわよくば喰ってやろうという野心的な感じすらありますね。これから経験を積んで安定感を付ければ、十分世界レベルにいけるペアだと思います。

世界の強豪選手にも注目!

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もちろんジャパンオープンは国際大会なので、日本人選手ばかりではなく世界から強豪が集まってきます。特に東京オリンピックと同じ会場で行われる初めての大会になるので、2020年を視野に入れる選手たちが、数多く出場することになるでしょう。

世界ランキング32位内の選手ばかりなので、全員がハイレベルなプレーヤーなのですが、マレーシアでは、ゴー・Vシェムとタン・ウィーキョンの男子ダブルスペアに注目です。リオ五輪の銀メダリストですが、最近は少しランキングを下げていました。しかし元々実力は高いですし、勢いに乗ると手が付けられないペアなので、「ソノカムペア」にとって手強いライバルとなるでしょう。

男子ダブルスといえば、昨年優勝したマルクス・フェルナルディ・ギデオンとケビン・サンジャヤ・スカムルジョのインドネシアのペアにも注目です。二人とも身長が低い方なのですが、かなりのテクニシャンでテンポの速い試合運びをします。特にケビンのプレーはすごく面白いので、ぜひ会場で見て欲しい選手です。

女子ダブルスでは、同じくインドネシアのグレイシア・ポリーとアプリアニ・ラハユのペアが優勝候補でしょう。かなり攻撃型のスタイルのペアで、インドネシアの選手が得意とする低空戦で早いプレーを仕掛けてきます。「タカマツペア」をはじめ、日本の女子ダブルスはこのペアを意識しているはずです。

大会会場でお会いしましょう!

とにかく今年のジャパンオープンは、大会のグレードアップによる出場選手のハイレベル化と、東京2020オリンピックの会場となる「武蔵野の森総合スポーツプラザ」で開催される初の国際大会ということで、世界から注目を浴びる大会です。こんなレベルの高い試合を日本で見られるのはこの大会しかないので、ファンの方にはぜひ会場に足を運んで、世界レベルの戦いを生で見て欲しいと思います。
特に感じて欲しいのは、圧倒的なスピード感とシャトルの音。会場では、テレビの画面からでは感じられない立体的な臨場感を楽しむことができるはずです。

また当日は、小学生選手たちによるバドミントンの全国大会『第19回ダイハツ全国小学生ABCバドミントン大会』の優勝者たちも会場に来て、代表選手たちとのエキシビジョンも行いますので、そちらも楽しみにしていてください。彼らの中から、未来の日本代表が出てくるかもしれませんので、小学生選手たちも要チェックです!

もちろん私も会場に駆けつけますので、皆さん一緒に日本人選手たちを応援しましょう!!

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【ダイハツ・ヨネックスジャパンオープン選手権大会2018大会概要】

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名称 ダイハツ・ヨネックスジャパンオープン2018 バドミントン選手権大会
日程 2018年9月11日(火)~ 16日(日)
会場 武蔵野の森総合スポーツプラザ(東京都調布市)
主催 公益財団法人 日本バドミントン協会(NBA)
公認 世界バドミントン連盟(BWF)
主管 東京都バドミントン協会
後援 東京都(予定)
冠協賛 ダイハツ工業株式会社・ヨネックス株式会社
協力 ベースボール・マガジン社
競技種目 男子単・男子複・女子単・女子複・混合複
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小椋久美子
【女子バドミントン元日本代表】

1983年三重県生まれ。8歳のときにバドミントンを始める。2000年に全国高校総体でダブルス準優勝、01年の全国高校選抜でシングルス準優勝。三洋電機入社後の02年には全日本総合バドミントン選手権シングルスで優勝。その後、ダブルスプレーヤーに転向し、北京オリンピックで5位入賞、全日本総合バドミントン選手権では5連覇を達成。10年1月に現役を引退。

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