PERODUA MALAYSIA MASTERS 2020 Presented by DAIHATSU
Part of the HSBC BWF World Tour Super 500
大会レポート by ゴー・リューイン選手

開催日時: 2020年1月7日(火)~12日(日)
開催場所: アクシアタアリーナ

  • 2020年の幕開けとなる栄誉ある大会が開催

  • 『PERODUA MALAYSIA MASTERS 2020 Presented by DAIHATSU』は、HSBC BWFワールドツアースーパー500のひとつであり、2020年最初の重要な大会となります。2009年に第1回が開催された本大会ですが、今年は世界の強豪たちがさらに上位ランキングを目指す場として、例年以上に重要な大会となりました。2020年1月7日から12日まで、クアラルンプール・スポーツシティのアクシアタアリーナに世界ランキング上位の選手たちが集結し、5つのカテゴリーすべてにおいて、熱い戦いが繰り広げられました。

  • 大会期間中、お気に入りのスター選手たちを間近で観ようと、多くの熱烈なバドミントンファンがアリーナに駆けつけました。試合に臨む選手たちは、サイン会などのファンイベントにも参加し、ファンや観客たちとも交流しました。賞金が40万USドルに増額された今年の『PERODUA MALAYSIA MASTERS 2020 Presented by DAIHATSU』では、サプライズを含めてさまざまなことが起こりましたが、中でも大会を盛り上げてくれた観客の皆さんの声援は、とても素晴らしいものでした。

決勝戦 試合一覧

種目 選手名 試合内容
男子シングルス 桃田賢斗選手(日本) 2-0 ビクター・アクセルセン選手(デンマーク) 24-22 / 21-11
女子シングルス チェン・ユーフェイ選手(中国) 2-0 タイ・ツーイン選手(台湾) 21-17 / 21-10
男子ダブルス キム・ギジュン選手/イ・ヨンデ選手(韓国) 2-0 リー・ジュンホゥイ選手/リゥ・ユチェン選手(中国) 21-14 /21-16
女子ダブルス リー・ウェンメイ選手/ツェン・ユー選手(中国)2-1 ドゥ・ユエ選手/リー・インフィ選手(中国) 21-19 / 16-21 / 21-19
混合ダブルス ツェン・シーウェイ選手/ファン・ヤチョン選手(中国) 2-0 ワン・イルユ選手/ファン・ドンピン選手(中国) 21-19 / 21-12
  • レポーター:ゴー・リューイン選手

  • 1989年生まれ、マラッカ出身。
    混合ダブルスで常に世界のトップ10に入る、マレーシアの女子バドミントン選手。最高で世界ランク3位までのぼりつめた。2016年オリンピックでは銀メダルを獲得。

世界トップの選手たちが繰り広げたゲームをレポート!

  • 男子シングルス:王者桃田、国際大会初戦を優勝で飾る

  • 2019年に11勝という記録を達成し、世界のバドミントンの歴史に名を刻んだ桃田賢斗選手は、地元マレーシアの英雄、リー・ズィージァ選手と対戦した準決勝でとてつもない集中力を見せました。桃田選手は圧倒的な強さでマレーシアのエースを2-0(21-10、21-19)のストレート勝ちで下し、2020年のスタートを本大会初優勝で飾る瞬間へと一歩近づきました。桃田選手の正確なネットプレー、俊敏な動き、そして代名詞とも言えるオーバーヘッドスマッシュに、リー選手は手も足も出ませんでした。
    ビクター・アクセルセン選手と対戦した決勝戦では、桃田選手が後にベストコンディションではなかったと認めたものの、それでも十分な強さを見せ、その圧倒的なスピードと技術・プレースタイルで、アクセルセン選手に反撃の余地を与えませんでした。
    今年最初の大会で獲得したこのタイトルは、桃田選手にとって、激戦が続くことが予想されるシーズンに向けての大きな弾みとなることでしょう。

  • 女子シングルス:チェン選手の台頭

  • 当初は、タイ・ツーイン選手が優勝の本命と思われていましたが、結果的に本大会の表彰台に立ったのは、中国のトップ、チェン・ユーフェイ選手でした。タイ選手は、過去のチェン選手との対戦では16戦14勝と大きく勝ち越していましたが、今回はチェン選手の攻撃型プレーを切り返すことができませんでした。
    チェン選手は「失うものは何もない」という態度で楽しみながら試合に臨み、終盤はチャンスを逃さずにパワフルなスマッシュを何度も決め、見事勝利を手にしました。本大会の本命として結果を出そうとしていたタイ選手は、明らかに大きなプレッシャーを感じており、それがいくつものミスにつながりました。試合は終始チェン選手に有利なペースで進み、21-17、21-10と2セット連取して37分で終了。チェン選手は今年初のタイトルを獲得しました。
    中国が3人の選手を準々決勝に送り込んでその強さを印象付けた一方、日本人唯一のオリンピックメダリストである奥原希望選手は、準々決勝で敗れました。今後も『DAIHATSU INDONESIA MASTERS 2020』などの大きな大会が続きますが、女子シングルス選手たちの栄誉を掛けた戦いは、ますます厳しさを増していくことでしょう

  • 男子ダブルス:キム選手/イ選手ペアの躍進

  • 世界王者のマルクス・フェルナルディ・ギデオン選手/ケビン・サンジャヤ・スカムルヨ選手ペアが、同じインドネシアの代表で、本大会優勝経験もあるファジャル・アルフィアン選手/ムハマド・リアン・アルディアント選手ペアと準々決勝で戦い、誰も予期していなかったショッキングな敗退を喫しました。世界トップのインドネシアペアが敗退した後、さらにもう2組のインドネシアのペアも敗退。
    男子ダブルス決勝戦では、中国ペアが優勝をおさめるかと思われましたが、大方の予想に反して、韓国のキム・ギジュン選手/イ・ヨンデ選手ペアが、得意のパワフルなスマッシュと正確なネットプレーで中国ペアの優勝にストップをかけました。世界ランク3位である中国のリー・ジュンホゥイ選手とリゥ・ユチェン選手のペアは、キム選手/イ選手ペアに21-14、21-16で負け、キム選手/イ選手ペアは、韓国人として初めて本大会の男子ダブルスで優勝しました。

  • 女子ダブルス:中国人ペア同士の戦いに

  • 日本、韓国、インドネシア、中国のペアが準々決勝に進みましたが、最終的には中国の2トップであるリー・ウェンメイ選手/ツェン・ユー選手ペアと、ドゥ・ユエ選手/リー・インフィ選手ペアが決勝に進出し、中国人ペア同士の戦いとなりました。
    2016年のリオオリンピックの金メダリストで、本大会でも優勝経験のある髙橋礼華選手/松友美佐紀選手ペアは、準々決勝でドゥ選手/リー選手ペアに敗れました。同じく日本の松山奈未選手/志田千陽選手ペアも、準決勝でドゥ選手/リー選手ペアと戦い、3セット目まで持ち込みましたが、21-14、19-21、21-11で敗退しました。一方、グレシア・ポリー選手/アプリヤニ・ラハユ選手のインドネシアペアは、準決勝でリー・ウェンメイ選手/ツェン・ユー選手ペアに敗れ、決勝進出というインドネシアの望みを叶えることはできませんでした。
    中国人ペア同士で行われた決勝戦は長時間に及び、観客全員が手に汗握る大接戦となりましたが、結果はリー選手とツェン選手のペアが21-19、16-21、21-19で見事優勝。2009年から続く今大会で、初の女子ダブルス優勝のタイトルを手にしました。

  • 混合ダブルス:ツェン選手/ファン選手ペアが期待に応える

  • ツェン・シーウェイ選手/ファン・ヤチョン選手と、ワン・イルユ選手/ファン・ドンピン選手の、世界ランクトップの中国人ペア同士の戦いとなった決勝戦は、今大会でもっともエキサイティングな試合となりました。
    ツェン選手/ファン選手ペアは、決勝まではとてもスムーズに勝ち進みましたが、ワン選手とファン選手のペアは、地元マレーシアの優勝候補で、世界ランク6位のチャン・ペンスン選手/ゴー・リューイン選手ペアと準決勝で対決しました。接戦になることが予想されていましたが、いざ始まってみると中国ペアがマレーシアペアをストレート(21-10、21-13)で下す、余裕の試合展開となりました。
    一方接戦となったのは決勝戦で、ツェン選手/ファン選手ペアがワン選手/ファン選手ペアから辛くも勝利をもぎ取り、2020年初の大会で、実に4年ぶりに中国に勝利をもたらしました。

  • この選手にも注目!本大会で惜しくも活躍できなかった選手たち

  • 中国は、5つのカテゴリーのうち4つで決勝戦に進み、世界にその力を見せつけました。勝ち上がったすべての選手が絶好調で自信に満ちあふれており、これからのBWFスーパートーナメントでも活躍が期待されます。その一方で、今大会では早々に予期せぬ敗退を喫した注目すべきスター選手もいます。しかしそんな選手たちも、これで終わったわけではありません。さらに激しい戦いが予想されるジャカルタ、イストラ・スナヤンでの『DAIHATSU INDONESIA MASTERS 2020』でのリベンジを、虎視眈々と狙っています。

  • 評判通りの素晴らしい成績をおさめたトップ選手がいる一方、インドネシアのエースであるアンソニー・シニスカ・ギンティング選手やデンマークのアンダース・アントンセン選手、インドネシアのマルクス・フェルナルディ・ギデオン選手とケビン・サンジャヤ・スカムルヨ選手のペア、そしてインドネシアのヨナタン・クリスティ選手など、早々に敗退して悔しい思いをした選手たちがいます。しかし、2020年のシーズンはまだ始まったばかり。彼らにはこれからさらに厳しい戦いがいくつも待っています!

優勝選手インタビュー

  • 桃田賢斗選手

    (男子シングルス優勝)

  • 素晴らしい一週間でした。今年のスタートを優勝で飾ることができたのはよかったと思います。1年の最初の大会はいつも厳しい戦いになります。もちろん誰もが優勝を狙っているからです。去年の疲れがまだとれていない中、ベストなコンディションではなく、まだ回復の途中なのですが、1年のスタートを切るこの大会で良い成績を残せたのは重要なことです。本当に素晴らしい大会でした。

  • リー・ウェンメイ選手/ツェン・ユー選手ペア

    (女子ダブルス優勝)

  • 『PERODUA MALAYSIA MASTERS 2020 Presented by DAIHATSU』での優勝は、今後より良い成績を残すための弾みとなりました。今大会では他の中国選手も決勝戦に進んだので、その中で優勝できて特に嬉しく思っています。決勝戦はまるでジェットコースターのような戦いでしたが、限界まで力を出し切りました。もっとも厳しかったのは、日本の松山奈未選手/志田千陽選手ペアと戦い、3セット目までもつれ込んだ準決勝です。今、女子ダブルスでは日本が世界のトップですが、このカテゴリーの争いはさらに激しくなるでしょう。

  • キム・ギジュン選手/イ・ヨンデ選手ペア

    (男子ダブルス優勝)

  • スーパー500の大会で優勝したのは今回が初めてなので、最高の気分です。それに韓国がこの大会の男子ダブルスで優勝したのも初めてなので、本当に嬉しいです。昨年は自分の思い通りにプレーできなかったのですが、大きな大会で優勝するという夢を捨てずに頑張ってきました!この調子で良い試合を続け、今年最後の大会まで勝ち続けたいです。

  • 本大会の総評と2021年に向けて

  • 『PERODUA MALAYSIA MASTERS 2020 Presented by DAIHATSU』は、すべてのカテゴリーで新たなチャンピオンが誕生し、盛況のうちに幕を閉じました。選手や関係者、ファンの皆さんの思いは、クアラルンプールでの数々の思い出とともに次の目的地へと向かいます。熱心なファンの皆さんのおかげで、アクシアタアリーナは鮮やかに色づいた活気ある会場となりました。
    今年最初の大舞台となった今大会では、桃田賢斗選手がまたもやその才能と技術を披露してくれました。男子ダブルスでは、キム・ギジュン選手/イ・ヨンデ選手ペアが新チャンピオンとなり、混合ダブルスでは、ツェン選手/ファン選手ペアがファンの期待に応えて優勝しました。地元マレーシア選手の中では、特に元世界チャンピオンのリー・チョンウェイ選手が引退した今、今大会でかなり力をつけたリー・ズィージァ選手が、これからの10年間マレーシアのバドミントン界期待の選手になるでしょう。中国は、今大会で5つのカテゴリーのうち4つで決勝戦に進み、世界にその力を見せつけました。これからの10年も引き続き中国の時代が続くことを予見させます。
    観客の皆さんにとっては、トップクラスのバドミントン大会を体験することができた素晴らしい一週間となりました。来年以降もさらに素晴らしい試合が行われることでしょう!

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