第4回ダイハツ日本障がい者バドミントン選手権大会
第4回ダイハツ日本障がい者
バドミントン選手権大会
大会レポート
- 開催日時:2018年12月15日(土)~16日(日)
- 開催場所:久留米総合スポーツセンター 久留米アリーナ
12月15日(土)〜16日(日)の2日間にわたって、福岡県久留米市にある「久留米総合スポーツセンター 久留米アリーナ」において、『第4回 ダイハツ日本障がい者バドミントン選手権大会』が開催されました。
2020年の東京パラリンピックから正式種目となるバドミントン。バドミントンと共にその人気は年々上昇し、近年では国内はもちろん多くの日本人選手たちが世界を舞台に活躍しています。
昨年の長崎大会に引き続いて九州で開催された今大会には、日本全国から120名を超える選手が参加。障がいの内容によって分けられた、シングルス・ダブルス合わせて19のクラス別に、選手たちの熱いプレーが繰り広げられました。出場した選手たちは皆、2年後の東京パラリンピックを見据え、2018年を締めくくる本大会での優勝を目指して戦いました。
試合レポート
1日目に男女シングルス、2日目に男女ダブルスが行われましたが、多くの選手がシングルス・ダブルス双方に出場しました。中にはシングルスの決勝を戦った相手がダブルスではペアを組むというケースもあり、まさに“昨日の敵は今日の友”というシーンも見られました。
男子では、WH2クラスの渡辺 敦也選手やID7クラスの中野 林太郎選手、女子ではWH1クラスの里見 紗李奈選手やWH2クラスの山崎 悠麻選手がシングルスとダブルスの両方で優勝し、会場を大いに沸かせました。
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WH2 男子シングルス
渡辺 敦也選手 -
ID7 男子シングルス
中野 林太郎選手 -
WH1-2 女子ダブルス
山崎 悠麻選手・里見 紗李奈選手
男子シングルスSL3クラスで優勝した藤原 大輔選手は、終始危なげの無いゲーム展開で、大会4連覇を達成。王者の貫禄を見せつけました。
男子シングルスSU5+クラスで優勝した今井 大湧選手は、全試合ストレートでの完全勝利。現役大学生らしい勢いのあるパワフルなプレーで相手を圧倒しました。
今大会一番会場を盛り上げたのが、男子WH1クラスの小林 幸平選手。地元福岡県の出身で、会場となった久留米が創業の地である株式会社ブリヂストンの所属とあって、スタンドには多くの人々が小林選手の応援に駆けつけました。ダブルスでペアを組んでいる村山 浩選手との対戦となった決勝は、第1、第2ゲームともデュースまでもつれ込む大接戦。勝負を決める第3ゲームは、2ゲーム目を取った小林選手が勢いに乗って連取し、見事優勝を勝ち取りました。
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SL3 男子シングルス
藤原 大輔選手 -
SU5+ 男子シングルス
今井 大湧選手 -
WH1 男子シングルス
小林 幸平選手
12月15日(土)
男子シングルス
男子シングルス WH1
小林 幸平選手(福岡県)
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自分が所属するブリヂストン創業の地・久留米での大会で優勝できて本当に嬉しいです。地元の人たちや会社の仲間も応援に来てくれて、それが戦う力になりました。いつも支えてもらっている皆さんには、感謝の気持ちでいっぱいです。
決勝はダブルスを組んでいる相手との試合だったので、お互いを知り尽くしている中での戦いでしたが、皆さんの応援の力が後押ししてくれました。今後は2020年のパラリンピックでのメダル獲得に向けて、頑張りたいと思います。
男子シングルス WH2
渡辺 敦也選手(東京都)
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まず、昨年に続いて連覇できたことを嬉しく感じています。WH2は競技人口が少ないのですが、決勝を戦った梶原選手とは良いライバルなので、お互い切磋琢磨して、今後もWH2、そして車椅子バドミントンを盛り上げていきたいと思います。
来年から東京2020出場のためのポイントレースが始まるので、まずはパラリンピックへの出場権を勝ち取ることが目標です。もちろんこの大会での3連覇も狙っています。
男子シングルス SL3
藤原 大輔選手(茨城県)
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今回で4連覇を達成できましたが、いつも通りの自分のプレーができたことが勝因だと思います。
パラリンピックのポイントレースが始まるまで3ヶ月くらいあるので、しばらくは練習に打ち込みます。2019年からポイントレースが始まりますが、まずは3月に海外で行われる大会にしっかりと勝って、パラリンピック出場に向けたスタートダッシュが切れるよう頑張りたいです。
男子シングルス SL4
山本 勝洋選手(大阪府)
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去年は優勝できなかったのですが、今年は優勝できて良かったです。海外遠征に出たときに、コーチや他の代表選手たちからいろいろとアドバイスを頂いたのですが、それを活かすことができたのが、今日の勝利につながったのだと思います。
来年は海外での大会でも一つひとつ勝ちを積み重ねて、2020年の東京パラリンピックに出場できるよう頑張ります。
男子シングルス SU5+
今井 大湧選手(神奈川県)
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この大会は第一回の時に優勝したのですが、二回目は準優勝で連覇ができませんでした。昨年も優勝できたので、今度こそ連覇を狙っていましたが、それが果たせて良かったです。連覇できたことで、今後に向けての自信にもなりました。
今年は一年通して下半身強化をやってきたのですが、その結果がしっかり出せたことが、今日の優勝につながったのだと思います。
男子シングルス SS6
畠山 洋平選手(東京都)
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今大会では、自分のプレーがしっかりと出せるよう頑張りました。それができたことで、相手に揺さぶりを掛けられたのではないかと思います。
次の目標は、まずは強化選手に選ばれて、ポイントをしっかりと取っていき、2020年のパラリンピックの代表に選ばれることです。自分たちが頑張ることで、パラバドミントンという競技自体の知名度も上げていけたらと思います。
男子シングルス ID7
中野 林太郎選手(長野県)
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最高です!3連覇できてとってもうれしいです。仲間や応援してくれる人たちみんなの力が支えになりました。
次はもっとじっくり粘って戦えるようになりたいです。もちろん来年も優勝を目指します。
女子シングルス
女子シングルス WH1
里見 紗李奈選手(千葉県)
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まだ日本一になれていなかったので、この大会で優勝することが目標でした。私は元々練習量が多い方だと思うのですが、今年の4月から強化指定選手(次世代アスリート)に選ばれたので、練習の質も上がってそれが今回の結果につながったのだと思います。
次の目標としては、今年世界2位の選手を倒せたので、来年は世界1位の選手に勝つことです。また来年から東京パラリンピックに向けたポイントレースが始まるので、一戦一戦頑張ってポイントを取っていきたいです。
女子シングルス WH2
山崎 悠麻選手(東京都)
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実はここ数日体調があまり良くなかったのですが、何とか戦い抜いて優勝できて良かったです。
今年一年間はずっと調子が良く来れたし、一試合ずつコンディションを上げていけたので、金メダルもいくつか取れました。来年もシングルス、ダブルス共に頑張っていきたいです。来年はいよいよパラリンピック出場のためのレースが始まるので、一試合ずつ着実に勝って、ポイントを取っていきたいです。
女子シングルス SL3
林 海央選手(東京都)
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まずは久しぶりにバドミントンを再開できたことが嬉しくて、競技自体を楽しめました。もちろん優勝できたことも嬉しいのですが、3年ぶりにバドミントンができたことがとにかく楽しくて。
今後もバドミントンを続けて、国際大会にも出られたらと思います。もちろん、2020年の東京パラリンピックも狙っていきます。
女子シングルス SL4
藤野 遼選手(福岡県)
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今大会は優勝することが目標でした。勝負ももちろんですが、試合内容にもこだわっていたので、いくつかミスが出てしまったことは反省点です。
今回の大会で自分なりの課題も見つかったので、今後はその課題克服のためにしっかりと練習して、ミスを無くすよう頑張ります。
自分はひとまず2020年の東京パラリンピックまで競技を続けようと思っているので、そこに向けてしっかりと頑張っていきたいです。
女子シングルス SU5+
鈴木 亜弥子選手(宮城県)
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今大会は今年最後の試合ですが、締めくくりとしては最高の結果となりました。
年々体力と筋力の衰えは感じていますが、しっかりと練習して鍛えていきたいと思います。練習は大変ですが、2020年のパラリンピックのためだと思うと、まだまだ努力できます。今年は今年として、来年はさらに結果にこだわった戦いをしていきたいと思います。
女子シングルス ID7
内田 典子選手(愛知県)
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今回初めて大きな大会に出て、緊張しました。ただチームのみんなが負けてしまったので、みんなの分まで頑張ろうと思って戦いました。試合ではしっかりと動けたことが良かったと思います。
来年の大会でも2連覇を目指して頑張ります。
12月16日(日)
男子ダブルス
男子ダブルス WH1-2
渡辺 敦也選手(東京都)/ 長島 理選手(東京都)ペア
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まだ組んで日の浅いペアですが、毎試合二人でいろいろと考えながら戦ってきた中で、この大会を一里塚としての目標にしていました。そこで優勝できて本当に良かったです。
今大会は、このペアで優勝しなければという使命感を持って戦いました。今後も二人で刺激し合って、さらに強くなって2020年の東京パラリンピックではメダルを狙いたいです。
男子ダブルス SL3-4
広井 拓選手(北海道)/ 末永 敏明選手(神奈川県)ペア
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決勝ではシングルスで負けた相手に勝てたので、正直嬉しいです。私たちは二人共が攻撃のできるペアというのが強みなので、今後もさらに攻撃力を上げて戦えるよう頑張ります。
来年の大会でも、ケンカしなければ(笑)、このペアで戦うと思うので、連覇を目指して頑張りたいです。
男子ダブルス SU5+
伊東 勇哉選手(東京都)/ 木村 渉選手(神奈川県)ペア
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全試合、全力で行くということを心掛けて戦いました。その全力プレーが優勝という結果につながって嬉しいです。
決勝は難しい試合でしたが、コーチのアドバイスで気持ちが整理できて、積極的に試合することができました。優勝できて本当に良かったです。
次は聴覚障害者のための総合スポーツ競技大会「デフリンピック」にもこのペアで出場して、金メダルをとりたいです。
男子ダブルス ID7
中野 林太郎選手(長野県)/ 田中 和弥選手(東京都)ペア
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この2日間、正直苦しかったけれど、相方に支えられて何とか優勝できました。中野選手には本当に感謝しています。
知的障がいクラスのバドミントンはまだやっている人も少ないので、選手たちみんなの力で、世界中の人たちにこんなバドミントンもあるんだということを知ってもらえるよう、これからも頑張っていきたいです。
女子ダブルス
女子ダブルス WH1-2
山崎 悠麻選手(東京都)/ 里見 紗李奈選手(千葉県)ペア
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ダブルスはお互いのコンビネーションが合わないと難しいのですが、お互いがうまく補い合えて、強敵相手に優勝できました。二人ともクリアがしっかり飛ばせるので、途中で崩れてもすぐに立て直せて良かったです。
ダブルスでは、二人で楽しくプレーできていると強さも出ます。今回も楽しく戦えて、その結果優勝できて良かったです。
女子ダブルス ID7
栗丸あすか選手(福岡県)/ 石井 彩矢果選手(長崎県)ペア
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ペアを組んだパートナーと一緒に、二人でしっかりと頑張れたことが、今回の優勝という結果につながりました。これからも頑張ります!
シングルス
種目 | 優勝者 | 準優勝者 | 第3位 |
---|---|---|---|
WH1 男子シングルス |
小林 幸平(福岡) | 村山 浩(千葉) |
長島 理(東京) 大江 守(東京) |
WH2 男子シングルス |
渡辺 敦也(東京) | 梶原 大暉(福岡) |
望月 悠生(千葉) 我妻 進之(宮城) |
SL3 男子シングルス |
藤原 大輔(茨城) | 末永 敏明(神奈川) |
広井 拓(北海道) 谷口 貴之(東京) |
SL4 男子シングルス |
山本 勝洋(大阪) | 竹山 隆人(神奈川) |
左文字 蓮(北海道) 竹内 俊平(京都) |
SU5+ 男子シングルス |
今井 大湧(神奈川) | 正垣 源(兵庫) |
青木 八一郎(滋賀) 伊東 勇哉(東京) |
SS6 男子シングルス |
畠山 洋平(東京) | 鈴木 彪河(東京) | 上野 智哉(東京) |
ID7 男子シングルス |
中野 林太郎(長野) | 田中 和弥(東京) |
小野 紘汰(熊本) 松﨑 雄大(茨城) |
WH1 女子シングルス |
里見 紗李奈(千葉) | 福家 育美(滋賀) |
小林 悦子(福岡) 大津 千佳(奈良) |
WH2 女子シングルス |
山崎 悠麻(東京) | 小倉 理恵(埼玉) | 江上 陽子(滋賀) |
SL3 女子シングルス |
林 海央(東京) | 伊藤 則子(愛知) | 山田 麻美(千葉) |
SL4 女子シングルス |
藤野 遼(福岡) | 山口 裕子(東京) | 田中 祐子(福岡) |
SU5+ 女子シングルス |
鈴木 亜弥子(宮城) | 亀山 楓(宮城) | 西上 真由実(石川) |
ID7 女子シングルス |
内田 典子(愛知) | 大村 悠佳(大阪) |
下浦 優希(福岡) 石井 彩矢果(長崎) |
ダブルス
種目 | 優勝者 | 準優勝者 | 第3位 |
---|---|---|---|
WH1-2 男子ダブルス |
渡辺 敦也(東京) 長島 理(東京) |
小林 幸平(福岡) 村山 浩(千葉) |
梶原 大暉(福岡) 大江 守(東京) 大濱 真(埼玉) 島田 務(奈良) |
SL3-4 男子ダブルス |
広井 拓(北海道) 末永 敏明(神奈川) |
藤原 大輔(茨城) 中村 海斗(東京) |
朝野 和信(神奈川) 水上 三男(岩手) 竹山 隆人(神奈川) 谷口 貴之(東京) |
SU5+ 男子ダブルス |
伊東 勇哉(東京) 木村 渉(神奈川) |
今井 大湧(神奈川) 小原 宏平(北海道) |
正垣 源(兵庫) 浦 哲雄(東京) |
ID7 男子ダブルス |
中野 林太郎(長野) 田中 和弥(東京) |
前田 泰成(千葉) 松﨑 雄大(茨城) |
前田 隆成(千葉) 山田 直也(千葉) |
WH1-2 女子ダブルス |
山崎 悠麻(東京) 里見 紗李奈(千葉) |
小倉 理恵(埼玉) 福家 育美(滋賀) |
江上 陽子(滋賀) 島田 緑(奈良) 大津 千佳(奈良) 川森 弥生(奈良) |
ID7 女子ダブルス |
栗丸 あすか(福岡) 石井 彩矢果(長崎) |
下浦 優希(福岡) 大村 悠佳(大阪) |
小林 直子(千葉) 浅見 恋歌(千葉) |
この大会が、福岡・久留米で開催されるのは、第1回大会以来3年ぶりのこと。今回の会場となった「久留米総合スポーツセンター 久留米アリーナ」は、2018年にオープンしたばかりの新しいスポーツ施設で、最新の設備を誇る九州有数の総合体育館です。
昨年から冠スポンサーを務めるダイハツは、会場内に特設ブースを設置し、来場された方々にコーヒーなどのドリンクとクッキーを配布するなど、観客の皆さまの応援をサポートしました。また、ブース横にはダイハツの福祉車両である車いす移動車「タントカスタムスローパー」と昇降シート車「タントウェルカムシート」を展示し、会場を訪れた方々にさまざまな機能や車内の広さなどを体験いただきました。
さらに、パラバドミントン選手からの声を元に、ダイハツが自動車部品の梱包技術にヒントを得て製作している競技用車いすの保護カバーの紹介展示や、ダイハツ車のエンジン部品を主に扱う鋳造技術のエキスパートである株式会社ダイハツメタルが、ダイハツと共同で今大会のために特別に作ったオリジナルの金・銀・銅メダルを展示。ストラップ部分に地元久留米の伝統工芸品「久留米絣」が使用されたこのメダルは、実際に今大会の1〜3位の選手たちに授与されました。
また、16日(日)の試合終了後に行われた表彰式では、ダイハツ工業株式会社代表取締役社長の奥平 総一郎が各クラスの優勝者にその特製メダルを授与するプレゼンターを務めました。